賃貸でホームシアターを構築したい時の課題として、スクリーンの吊り下げ問題があります。賃貸では気軽に穴を開けたり柱を加工したりできないためです。本記事では、賃貸で活用できるスクリーンの吊り下げ設置方法を実際の施工と合わせて紹介します。
【賃貸】「スクリーン」吊り下げ設置方法 ~条件~
賃貸でスクリーンを吊り下げ設置する際に筆者が考えた条件について解説します。もともとは白壁に直接投影していましたが、壁紙の質感や切れ目が気になりスクリーン設置に至りました。
部屋を傷つけない
賃貸でのホームシアター構築において最も注意しなければいけないことが、部屋を傷つけないことです。そのため、直接壁や柱にステーを取り付けてスクリーンを吊り下げ設置することはできません。
巻取式&80インチ以上
賃貸でスクリーンを吊り下げ設置する場合、部屋の壁の1面をスクリーンが占領することになってしまいます。これでは、スクリーンを使用しないときには不便なため、巻取式のスクリーンが設置できることを条件としました。
また、せっかくスクリーンを設置するのですから80インチ以上のスクリーンを設置します。(正確には今回は4:3の100インチスクリーンを吊り下げ設置しました。これに16:9の映像を投影するとほぼ80インチになります。)ポップコーン片手に大画面で映画鑑賞できますね!
プロジェクターは天吊り設置
今回吊り下げ設置するスクリーンに投影する映像は、天吊り設置したプロジェクターで行います。賃貸でのプロジェクター天吊り設置方法は下記記事で詳しく解説しています。
【賃貸】「スクリーン」吊り下げ設置方法 ~方法~
筆者が行った賃貸でのスクリーン吊り下げ設置の方法について解説します。
2×4材で支柱を作る
今回は2×4と呼ばれる住宅の建築などに使われる規格の木材を使用して、丈夫な支柱を2本部屋の壁に寄せて設置します。
支柱にステーを取り付けてスクリーンを吊り下げ
設置した2本の支柱にステーを取り付けて、スクリーンを吊り下げ設置します。吊り下げにはスクリーンの吊り下げフックを利用します。
【賃貸】「スクリーン」吊り下げ設置方法 ~必要部材~
筆者が行った賃貸でのスクリーン吊り下げ設置で必要な部材について解説します。この部材の他、ネジを止めるためのドライバー(電動があれば便利)やスケール、メジャーなどの工具が必要です。
スクリーン
今回使用するスクリーンは4:3の100インチスクリーンを購入しました。なるべく安価に仕上げたいかつ巻取式で選択すると上記の商品がヒットして購入に至りました。
また、使用しているプロジェクターも4:3のビジネスモデルのためこちらを使用します。ホームシアター用の16:9プロジェクターを使っている方やよりきれいに映像を投影したい方は、スクリーンにもある程度投資が必要です。
ディアウォール
今回の方法では、支柱の設置にディアウォールと呼ばれる器具を使用します。これは、突っ張り棒のような形で床や天井・壁に傷をつけることなく2×4材を設置することができる器具です。
2×4材
2×4材は支柱そのものとなるものです。近くのホームセンターで購入するのがおすすめです。ネットでも購入できますが、送料や運搬条件などで不便する場合があります。
ホームセンターでは購入時に、店舗で必要な長さに加工してもらいましょう。無料もしくは数百円程度で行えるので非常に便利です。
L字ステー
L字ステーはスクリーンの吊り下げに使用します。
ショートパーツ
ショートパーツとは、L字ステーの取り付けに使うボルトやタイラップのことです。L字ステーにスクリーンを引っ掛けただけだと簡単に落下してしまうので、タイラップでL字ステーとスクリーン吊り下げフックを固定します。
【賃貸】「スクリーン」吊り下げ設置方法 ~施工~
実際に筆者の1DK賃貸物件にスクリーンを吊り下げ設置してみました。施工の様子を紹介します。
寸法計測
今回、スクリーン吊り下げ設置の支柱となる2×4材はホームセンターで購入します。その際、店舗で2×4材をカットしてもらうので予め天井の高さを計測しておきます。
なお、ディアウォール自体の厚みと突っ張りの余長を持たせるために天井までの寸法から40mmほど短めにカットしてもらいます。(公式では45mmと説明されていますが、若干緩くなるため40mmがおすすめです。)
また、計測の際には上記のようなレーザー測量機があると便利です。
2×4材をカットしてもらう
ホームセンターで2×4材を購入します。
また、測定した寸法に合わせてカットしてもらいます。
車(日産ノート)にギリギリ乗りました。無理な場合はホームセンターで軽トラを借りるなどしましょう。
ディアウォールで2×4材を設置
いよいよディアウォールで2×4材を設置していきます。
投影しながら設置する
ディアウォールで2×4材を設置する際には、プロジェクターで実際に映像を投影しながら行うと位置を決めやすく便利です。筆者が使っているプロジェクターでは、テストパターンを表示できるのでこの状態で施工を行います。
用意したスクリーンの吊り下げフック左右の長さを計測して、映像が収まる範囲に2×4材を設置しました。
L字ステー取り付け
2×4材の設置ができたら、スクリーンを吊り下げるためのステーを2×4材に取り付けます。投影している映像を確認しながら、スクリーンを吊り下げる位置に印をつけます。
この際、片方に印をつけたらそこから天井までの長さを測定して、反対側の同じ高さの場所に印をつけます。これがスクリーンを水平に吊り下げるポイントとなるので注意しましょう。
印をつけた位置にL字ステーを取り付けます。
スクリーンをL字ステーに取り付け
支柱に取り付けたL字ステーに、スクリーンの吊り下げフックを引っ掛けます。
タイラップで落下防止
スクリーンの吊り下げフックを引っ掛けたら必ずL字ステーとフックを固定しましょう。これをしないと、風やスクリーンに手をついてしまった時の振動などで簡単にスクリーンが落下してしまいます。今回は、タイラップを使用して固定しました。
完成
これで賃貸物件に傷をつけずに、スクリーンを吊り下げ設置することができました。
筆者はプロジェクターも天吊り設置を行っているため、これで快適にホームセンター生活を満喫できます。